北野勇作


 ちがうちがうちがう、ちーがうんだってば。あのね、それって、そこで止まれってことじゃないんだよ。いや、そりゃそこで止まらないとだめなんだよ、うん、もちろんそうなんだけど、でもそれはね、そこで止まれってことじゃない。うん、いやそれはまあそこで止まれなんだけどね、なんていうかその、いわゆるそこで止まれっていうそこで止まれじゃない、っていうか、なんていえばいいのかなあ、そこで止まるのはもちろんそうなんだよ、止まる止まる、うんうん、そこで止まるよ、みんな。だからはげちゃって、止まれってよめなくなってるくらいだからね、みんなそこで止まる。それはそれでいいんだけどね、うん、そうそうそう、それ。そこで止まれということよりもそこじゃないところで止まるなって、あ、それだそれ、そうそうそうそうそういうこと。だってほら、ほらほらほら、ああいうことになっちゃうわけよ。ねっ。みたよね。しかとみましたよね。ああなっちゃったでしょうが。うん、だからまあそこで止まってることはそれでいいんだけど、つぎに止まるときはきをつけてね。だってそこじゃなく止まっちゃったら、ああいうことになっちゃうからさ。はい、それじゃそろそろいこうか。いや、そりゃそうだろ。うん、いつまでもそこで止まってたらそこで止まったまんまでしょ。そうそう、いくら止まれってかいてあってもいつまでもそこで止まってていいわけじゃない。はい、わかったね。わかったらそろそろそこで止まってるのを止めれ。





北野勇作
小説を書いてます。

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